鈴木農林水産大臣が退任 政府備蓄米の買い戻し 高市政権での今後のコメ価格と動向

いつものスーパーでお米売り場を通りかかったとき、やはり値段が気になるはずです。
値札に書かれた数字を眺めながら、「米価格の高騰化の真の原因は何か」
「ニュースで見た『備蓄米の買い戻し』は、直近のコメ価格にどう作用するか」と、
食卓の主食であるお米値段の動向がどうしても気にかかることでしょう。
毎日炊飯器から立ち上る、温かい湯気と甘い香り。お米は単なる食材ではなく、
私たちの命と家族の健康を根底から支える存在、主食です。だからこそ、今メディアで
報道されている「政府備蓄米の買い戻し」というニュースは、決して遠い政治の話では
ありません。
先頃、鈴木農林水産大臣の退任が公表されました。
なぜ今、政府は20万トン(21万トン規模)のお米を買い戻そうとしているのか。
高市政権下での食料安全保障の狙い、価格の変動、そして私たちが主食のお米を守る
ために今知っておくべき「お米の今後の動向」について、専門家の視点から分かりやすく
紐解いていきます。
なぜいま政府備蓄米の「買い戻し」が? 備蓄量の回復と価格の維持
報道で「政府備蓄米の買い戻し」という言葉を耳にして、違和感を覚えた方も
多いのではないでしょうか。「少し前に供給不足だったから放出したのに、なぜ今度は
買い戻すのか?」という疑問は、生活者としてごく自然な感覚です
供給不足から一転した「民間在庫の拡大」
背景には、過年度に起きた米の供給不足に伴う大規模な備蓄米の放出があります。
そしてこの放出には「買い戻し」の条件が設定されていました。いざ災害の時のため・
備蓄量の回復のため、買い戻すのは当初の条件通り、必然とも言えます。ただ、買い戻し
の時期については明言されていなかった為、なぜ今?との考えも多い様です。
市場へ大量のお米が放出された結果、購入しやすい価格の備蓄米が店舗に出廻り
一時的な品不足は緩和されたはずですが、一方で市場に出回るお米の民間在庫が
急速に増えたとの報道があります。
増えた、というより正確には例年より在庫が過剰な状態である、といえ、
そのせいか今年度の新米はかなり安値からの販売が店舗で見られます。
2025年産の古米より2026年産の新米の方が価格が安い状態です。
20万トンという買い戻し量が持つ防波堤の役割
数字の裏にある「安心」の価値。買い戻し量20万トン(約21万トン)という数量は、
私たちの暮らしと農業を守る防波堤の役割を果たしています。米価が暴落すると
一見消費者には嬉しく思えるかもしれません。
しかし、米農家の方々が収益性を失い営農を続けられなくなれば、
将来的な日本の農業基盤そのものが崩壊してしまいます。
そこで政府(農林水産省)は、市場の需給バランスを適切にコントロールし、
価格の急激な下落を防ぐために買い戻し措置を進める方針をとりました。この数量は、
過剰感を和らげ、生産者と消費者の双方が共倒れにならないための大切なバランス
調整の手段ともとれます。
コメの値段は市場で決まるもの、政府は介入しない、との公言もありますが、
かつては農家のコメを一俵2万円で買い上げ、1万円で消費者に販売する(時価)という、
農家も消費者も守る政策もあったのですから、コメ市場が荒れても政府が介入しない
というのは国民からは却って不評かと思うのですがどうでしょう。
ともかくも現在は備蓄米の買い戻しが公表され、2025年産の古米より
今年の新米の方が値が安い状態が店舗で見られます。
高市政権の動向とこれからの米価格・家計への影響
食料安全保障の強化が叫ばれる中、この備蓄米政策は
さらに大きな意味を持つようになっています。
当然ながら政府の政策と我が家の食卓は一本の目に見えない糸で繋がっています。
食料安全保障と「備蓄100万トン体制」の再構築
日本が国として掲げる安全網として、政府備蓄米は「約100万トン」の
標準適正水準が設定されています。大きな自然災害や地政学リスク、世界的な不作など、
万が一の緊急事態に備えて国が一定量の主食を確保しておくことは必要です。
(因みにこの100万トン量は国民の年間消費量に対し1ヶ月半分の分量。
中国は14億人の人口に対して1年半分の穀物を備蓄しているとされます)
今回の買い戻しは、市場を落ち着かせるだけでなく、放出して減ってしまった
国の備蓄量を再び満たし、日本の食料安全保障のレベルを元の安全域まで戻すため
の不可欠なプロセスです。
私たちの家計とお米の価格はどう変わる?
消費者の立場から最も気になるのは「これでスーパーのお米が高くなるのか、安くなるのか、
農家の方達は継続できるのか」という点で、一時的な価格の高下に振り回されず安定した
値段を農家の方達も望んでいるはずです。
今は早生の新米が古米より安い値で店舗に並んでいます。
農協が初回備蓄米放出のほぼ全てを抑え、価格の吊り上げを行なっている、
中間業者も滞留を仕組んでいる、随意契約の備蓄米放出により去年の米不足が一転して
在庫の過剰を起こし価格の暴落が懸念される、など様々な見解が出回り、一体どこに今回の
米騒動の原因があるのでしょうか?
この点に関し、東京大学特任教授の鈴木宣弘教授が書籍で詳しくご解説されています。
教授は農林水産省で15年間任務を果たされ、その後も大学で研究を継続され、
日本の農業政策がいかに歪められてきたかを実際に目の当たりにされ、それらを詳しく
書籍で記述されています。
コメ・ショック 塩おにぎりが500円になる日 単行本 / 鈴木 宣弘 (著) PR
農協のコメ価格吊り上げ批評については、データを見るとコメ価格は過去に比べ下落
している事(現在の農協に価格吊り上げ程の影響力は無い)、大規模化すれば収益が増える、
との説については、日本国内の農耕地の事情を考慮すると、大規模化により赤字に転化する
可能性のある事(山間地も多く、所有者が複数入り組んだ国内の農地を一概にアメリカや
オーストラリアの様な広大な農耕地と比較するのは実態を見誤る危険)、小泉氏の随意契約に
よる備蓄米放出は既存のコメの流通網の形態を崩壊させた目先の人気取り政策であった、他、
国内の農家への支援・補助もかなりシビアである事が内容から伺えます。
鈴木憲和農林水産大臣の退任が公表されましたが、氏は小泉氏の備蓄米放出策後に就任し、
先日は備蓄米の買い戻しを公表されたばかりです。「コメの価格は市場で決まるもの」を
発言されながら買い戻しを決定されるなど、市場の原則と現実の実態に揉まれながら心労も
お有りだった事と思います。
政治家だけでなく、国民も政策が正しいか判断を求められています。
食糧という欠くことのできないものが、現状どうなっているか、
政策はおかしくないか、他国に依存しているならばそれは危険ではないか。
日本人の主食であるお米。
お米を起点にして、私たちは今食糧問題が切実な状況にある点を
しっかり認識しておかねばなりません。

