食品添加物と安心な食品の選び方

食品の安全性について考えるサイトです





食品添加物の普及とメリット


現代社会において、私たちの食卓に並ぶ加工食品は、その多くがさまざまな食品添加物を
含んで製造されています。この食品事情は、食品の保存性や多様性を向上させ、新しい料理の
創造と普及を促進してくれました。

食品添加物は、色彩や風味の調整、保存期間の延長、食品の
安定性向上など、多岐にわたるメリットを提供してくれます。

特に、食品の腐敗を防ぐことによって有効期限が長くなり、食中毒・食あたりを起こす
危険性を低減させた事は大きなメリット、食品環境への貢献だと感じます。

添加物の普及は、食品産業全体において効率性と安定性をもたらし、これにより、需要と供給の
調整がしやすくなり、一年中さまざまな食材が利用できるようになりました。

また、食品廃棄を減少させ、環境への負荷を軽減する一翼も担っています。そして、製品が
安く購入できる、これは消費者にとっては本当に歓迎されるメリットだと思います。
様々な成分を加えると、コストが上がるのでは?と思いますが、添加物を加えることにより、
値段を抑えることもできるのです。




一例を挙げて見ます。

例えばイチゴジャムなどは、イチゴ、砂糖、レモン汁などを原料として作られていますが、
本物のイチゴを多量に使うとコストがかかるため、代替え品として水飴、ブトウ糖液状、そして
通常より少ない量のイチゴ、といった原材料で作り、そこに添加物を加えると安価に製品を
仕上げることができます。

このように代替え品として添加物を使用する事によって増量し、保存性を高め、より安く商品を
仕上げている加工食品が他にも様々に存在しています。

これらのメリットにより、私たちの食品環境が豊かになってきました。

添加物のデメリット  


一方で、食品添加物には健康への懸念がつきまとう現実もあります。特に、一部の添加物が
アレルギー反応を引き起こす可能性や、長期的な摂取が健康・人体に与える影響が不安視されています。

過剰な摂取が健康に悪影響を及ぼす可能性や、特定の食品添加物が個々の体質によって異なる
影響を及ぼす可能性も指摘されています。これらのデメリットは、食品添加物が人体に与える影響が
好ましくない面を現していると感じます。

近年の研究では、特に子供やアレルギー体質の人々に対して、合成着色料や保存料などの
特定の成分が健康リスクを増大させる可能性が示唆されています。これに対しては、個々の体質や
健康状態に応じた注意深い摂取・量が求められます。

消費者にとって一番気になるデメリットは、人体への影響・発がん性成分の有無ではないでしょうか。

食品添加物として認定されるためには、様々なテストを受け、その安全性が確認されなければ
認定されません。発がん性試験、反復投与毒性試験、繁殖試験や安全性試験など複数あり、これらの
資料を厚生労働大臣に提出する過程を取るとされます。特に発がん性試験で陽性判断された場合には、
基本的には食品添加物として認定されることはありません。

それゆえ今現在、食品添加物として認定されている成分は、安全性試験を
クリアしているのですが、懸念すべきデメリットもあります。 

それは、添加物は個々1点1点は安全性を確認された成分ではありますが、複数同時に摂取した
場合に人体にどのような影響があるかは、明確に整備されたデータはほとんど無いという事です。

近年判明した例に、添加物を複数混合させた場合に化学反応を起こし、危険発がん性成分である
ベンゼンが発生する例があります。これは、アスコルビン酸と安息香酸が、光や温度など一定の
条件下で化学反応を起こし、ベンゼンを発生させるというものです。

ベンゼンは排気ガスやタバコの煙に含まれる危険物質です。

この事実が判明・公表されたのは2006年のことですから、
そんなに古い昔の話ではありません。

この点から感じることは、私たちの普段の食品にこれだけ多量の添加物が含まれる様になった
のはまだここ近年の事であり、期間が浅く、実態が解明されるのはまだまだ時間がかかるのでは?、
という事です。   天然色素であるアカネ色素も2004年、発がん性ありとして禁止に
なりました。 この成分は禁止になるまで「発がん性なし」と認識されていました。

この判明も2004年のことですから、先ほどのベンゼン同様、まだ近年のことです。

かなりの勢いで私たちの食材環境に使用されてきた添加物はまだまだ実態・影響の判明して
いない成分として、その使用をこれからはむしろ控える方向へ進むのが無難とも思えます。

添加物の人体への影響は



添加物のメリッット・デメリットについて大雑把に書きました。
食品添加物の実態や人体への影響はまだまだ解明されていないと思えるのです。

例として、使用・不使用の方針が議論されている臭素酸カリウムという成分があります。

パン製造の際、加工助剤・小麦粉処理剤として使用される成分ですが、これは発がん性・
遺伝毒性発がん性物質の危険性あり、との事で不使用と決めている国も多いのですが、
日本や米国では全面禁止とはなっておらず、条件的には使用が認められています。

国内のヤマザキパンが2020年から使用を再開させたので、パンが好きな方はご存知でしょう。

使用した場合には、完成したパンにその成分が残らない、あるいは残っても極めて微量である、
との条件で、国内では現在、0.5ppbという数値までは使用が認められています。

0.5ppbという数値はここまでが計測できる限界で、それ以下は含まれていても検出できません。
ですのでそれ以下の数値が含まれている可能性は否定できません。

臭素酸カリウムは遺伝毒性発がん性物質の危険性あり、とされ、遺伝毒性は、物質が遺伝子に
変異を引き起こし、その変異が子孫に受け継がれる可能性がある性質を指します。

仮に微量が含まれ、それを長期間摂取した場合、人体への影響はどうか?というのは未知数です。

臭素酸カリウムの話題からは逸れますが、添加物関連として気になる例を紹介します。

添加物に造詣の深い安部司氏の書籍で紹介されていた出来事ですが、福岡県のある養豚農家で、
消費期限切れ直前のコンビニ弁当を飼料として一時期与えていたところ、死産や流産といった
事態が発生、生まれた子豚も虚弱や奇形が見られたといい、元の飼料に戻したところ、事態は
止んだといいます。科学的に検証を行っていないので因果関係を断定はできないでしょうが、
この弁当が大きな影響・原因になっていることは否定できないように思えます。

農場主の方はそう認識されていることでしょう。(西日本新聞・食卓の向こう側・第2部より)

現時点では添加物に対してもっと謙虚・警戒を持った姿勢でいるべきでは?と思える出来事です。

前述のアカネ色素、ベンゼンの危険性が判明したのが2004年、2006年とまだ近年で、
加えて上記の出来事なども考慮すると、食品添加物の実態・人体への影響の判明はまだ
不充分だと感じます。



成分表示の明確化と選択肢の自由



添加物のメリット・デメリットについて考えてきました。

どちらかといえば最近の風潮は食品添加物を危険視する傾向にあると感じますが、
現在の食品環境がこれだけ充実しているのは添加物のおかげともいえるでしょう。

添加物=危険、無添加こそ安全、との考えが過ぎ、食品の保存・安全性が疎かにされ、
無添加を謳った劣化の早い食品で却って消費者が危険にさらされる可能性もあります。

食品の腐敗を防ぐ、消費期限の延長可などは、添加物のおかげ、メリットによるものです。

これらを無視して極端に無添加を追求するのも私たちにデメリットをもたらす事でしょう。

しかしここ近年は、製造側の利益追求のため、消費者側は簡単・便利を重視するあまりに、
デメリットである人体への影響を軽視し、添加物が増え過ぎたように感じます。

まずは製造メーカーが商品の成分表示を明確に記載し、スペース状全ての記載が難しいならば
QRコードを載せ、自社サイトで確認できるようにする、消費者も安易な購入ではなく、商品が
どのような成分を含んでいるか、最低限の知識は持ち、購入の選択を行うようになれば、危険な
添加物は次第に排除されて行くと思えるのですが如何でしょうか。

成分表示が明確な状態で、何を購入するかは消費者の選択の自由です。
安全性がまだ不明瞭だからできるだけ避けたい、いや、この量であれば問題無しとされている
ので気にせず購入する、それらは個人個人の裁量に委ねられています。

食品添加物の人体への影響に対する研究と議論は今後も続くでしょうが、悪影響を
受ける事なく有効活用するのは製造メーカー側と消費者の共同作業です。


error: Content is protected !!
PAGE TOP