エストロゲンの発ガン性 乳がんとの関連は
エストロゲンとは何か|食べ物との関係で注目される理由

エストロゲンとは、人や動物の体内で自然に作られる女性ホルモンの総称です。
生殖機能だけでなく、骨・血管・脳・皮膚など全身に作用するため、ごく微量でも
体に影響を与える特徴があります。
この「微量で作用する」という性質が、食べ物、とくに畜産物との
関係で注目される理由です。
ホルモン剤と育成促進剤の違い|混同されやすいが別物
畜産をめぐる議論で混乱しやすいのが、
「ホルモン剤」と「育成促進剤」の違いです。
ホルモン剤とは
ホルモン剤とは、エストロゲンなどのホルモン、またはそれに類似した
物質を 外部から投与し、体内の内分泌系(ホルモンの司令系統)に直接
作用させる薬剤です。
育成促進剤とは
一方、育成促進剤は、ホルモンとは異なる仕組みで成長効率を
高める薬剤の総称です。
体内のホルモン量を増やすのではなく、筋肉や代謝の働きを調整します。
ラクトパミンを例に見る違い
ラクトパミンは、育成促進剤の代表例です。
これはエストロゲンのようなホルモンではなく、筋肉への栄養配分を
変えることで赤身肉を増やします。
作用機構が異なるため、ホルモン剤と同一視するのは正確では
ありませんが、 消費者から見れば「成長を早める薬剤」として
一括りにされやすいのが現実です。
エストロゲンはどの家畜に使われているのか
アメリカ|牛のみで使用、豚には不使用
アメリカでは、成長促進目的でのエストロゲン使用は
肥育牛に限定されています。
豚や鶏に対してホルモン剤は認められていません。
インプラント方式とは
牛への投与方法は注射や飼料添加ではなく、
耳の皮下に小さな錠剤を埋め込む「インプラント方式」が一般的です。
ホルモンは徐々に放出され、成長効率を高めます。
オーストラリア・EU・日本の対応の違い
オーストラリア
オーストラリアではホルモン使用が認められていますが、
EU向け輸出牛はホルモン不使用で厳格に管理されています。
一方、日本向け輸出では使用牛が含まれる可能性があります。
EU|使用も輸入も全面禁止
EUは成長促進目的のホルモン使用を禁止し、
その肉の輸入も認めていません。
これは「予防原則」に基づく判断です。
日本|国内使用は禁止、使用肉の輸入は禁止せず
日本では国内でのホルモン使用は禁止されていますが、
輸入肉については国際基準に基づき受け入れています。
ホルモン剤を利用すると、成長が早く飼料費用がその分安くなる。
この違いが、ホルモン使用の輸入肉が安くなる一因のようです。
エストロゲンと発がん性|乳がんとの関係
エストロゲンは、ホルモン受容体陽性の乳がん細胞の増殖に関与する
ことが知られています。
体内エストロゲン濃度が高い状態が長く続くと、乳がんリスクが
高まる可能性が指摘されています。
こうした指摘がホルモン剤使用肉を危険視する要因の一つとなっています。
EUでの規制後の変化
EUではホルモン肉の禁止後、乳がん死亡率が減少したという統計
データが報告されています。
ただし、これがホルモン肉規制のみの影響であると断定できる
科学的証明はありません。
世界の医学会で一致した見解ではない点にも注意です。
現時点で言えること|断定を避ける重要性
エストロゲンと乳がんの関連性が疑われているのは事実ですが、
食品中の微量残留が直接的に発がんを引き起こすかどうかについては、
明確な因果関係は証明されていません。
消費者としてできる現実的な向き合い方
輸入肉が安い理由、国ごとの規制の違いを理解した上で、
自分なりの選択基準を持つことが重要です。
「危険」「安全」と単純化せず、情報の前提条件を読み解く姿勢が
求められます。
当サイトでは食品添加物や食品全般において、人体や健康に安全か、危険かに
関する情報を 専門家・スペシャリストの方々の書籍から引用して記述しています。
大まかに全般を眺めてみますと、アメリカやEU諸国では危険視する判断基準に
違いがある事を感じます。許容量を守れば人体に悪影響はでないので使用はOK、
いや、科学的にはっきりした安全性が確認されるまではたとえ微量でも不使用を
守るべきだ、との姿勢。
毒性の発生は量に大きく左右されていますので、アメリカの判断である
「許容範囲内なら問題無し」との基準・姿勢も間違いとは思えません。
ただやはり、アメリカやEU諸国においてもはっきりした統一的科学見解が
出されるまでは不明瞭な食品添加物や成分は使用を控えた方が良いのでは
ないでしょうか。
姿勢としてはEUの態度が広く支持されるように思えます。
日本の消費者は台湾のラクトパミン問題やアメリカのホルモン牛乳など
への激しい拒否・不買運動などに類似する動きは起きていない様に思えます
が、平成の米不足から約30年を経て令和の米不足が起こりました。
減反政策の影響で主食の米不足がはっきり現れてきた事、世界規模で
危険視されている成分が含まれた食材の許容数値が緩和された点、この項で
取り上げたエストロゲンがアメリカ産の牛肉に残留している可能性、科学的に
はっきりと発ガン性が証明されたわけではないが議論が続いている事など、
こうした事情をしっかりと認識し、購入の選択基準に取り入れましょう。
