政府備蓄米、古米、古古古米の味  アメリカ産の輸入米の味

放出された備蓄米を実際に食しての感想

5月末から6月初旬に小泉氏が随意契約によって備蓄米の放出を行って
から2ヶ月以上が経過しました。

江藤氏による備蓄米放出に比べて動きが迅速であると評価されていましたが、8月も
中旬を過ぎて備蓄米の購入キャンセルを申し出る小売店業者さんも出ていた最中、
備蓄米の販売期間延長が公表されました。

8月になってもまだ契約した備蓄米が到着しない業者さんもあった様で、これには
早くから販売期間の延長を求める声が上がっていた様です。

迅速に放出が決定されたとはいえ、各地にスムーズに行き渡った感じでもなく、
都心部や主要店舗が主でそれ以外ではなかなか入手困難だった地域もあった事が
報道から伺えました。

販売期間の延長は早くからある程度予測された事態とも思えます。

味の評判が様々に観られますが、実際に備蓄米を食べてみての食味の感想を
記述してみます。

備蓄米の炊き方は普通に炊いて問題無しか? 水の量は?

今回炊いてみた備蓄米は古米と古古古米です。

食料品店で購入したお米ですが、それぞれのパッケージは以下の
画像のデザインでした。

「日本農家さんのお米」 との文言で、
裏面は下部にわずかに扱いに関する記述が
プリントされているぐらいで他には何も
文言が無い状態でした。

備蓄米に合わせて急遽デザインされた
のだと思います。

値段が5kgで3500円台なので、今年度の
新米を除外すればこれは江藤氏の時に放出され
た古米(2023年産)になるかと思われます。


もう一方の備蓄米は商品名も付けず、
ストレートにそのまま “備蓄米” と
表記されていました。

こちらも裏面は何もプリントされていない
状態でした。値段は5kg1700円台、
販売コーナーには ”令和3年産(2021年)
の備蓄米” である事が表示されていました。 








購入後、早速炊いてみました。

炊き方は分量の古米を炊飯器の内釜に入れ、一般に市販されている天然水を注ぎます。
乾いたお米に最初に触れる水が一番吸収されるからですが、しっかり古米が水に浸る
状態で10~15分を置きます。その後、軽くなぜる様に2~3回のすすぎ、
洗米を行います。この時に古米臭を無くす為に強く揉んだり擦ったりはしない方が
良い様です。軽くすすぐ。

洗米を終えて水を切り、再度天然水を必要分量注いで炊き上げます。

この時の水の分量ですが、普段より多めに、との解説もみられますが、
私は通常の一般的な銘柄米とほぼ同じ水の分量で炊いてみました。

炊きたての状態ですが、新米に比べると艶は若干くすんだ印象を受けますが、
そうでもないか?とも感じます。これは水の分量にもよるかと思います。

食感・味ですが、癖のある味でもなく、食感も通常のお米と変わりません。

ただ、古古古米に関しては、開封時に独特の古米臭の様な匂いは通常よりも
感じました。

しかしその臭気も開封から数日が経つと自然に和らいだ感じを受けました。
開封直後の場合は炊き上げたお米にもこの匂いの味が付いているので、古米臭が
苦手な人はこれを嫌うでしょう。

おかしな味がする、新米と比べると全然違って食べれない、などはありません。

よほど神経質か、相当に繊細な味覚の人でない限り、古古古米も普通に食せます。

丼物などであれば古米を使っていると気づく事も無いのではないかと感じます。

お酒を少々、みりんを少し、など炊き方の工夫が紹介されていますが、
通常の一般的な炊き方、水の分量(水の分量は好みで)でも問題無く炊けます。

カリフォルニア米 カルローズ  イオンの かろやか の味

そして、米不足でアメリカ産のお米である カルローズ米 もよく報道されており、
こちらはイオンが4kgの包装で販売を開始されています。他の食料品店でもこの
お米の扱い・販売を始めたことが散見されます。

イオンはこのお米を商品名 かろやか として販売されています。



こちらの味も感想を記述してみます。

イオンの かろやか は4kg2500円台で販売されています。

このお米は丸紅や神明といった企業が流通を担っている様で、
丸紅経由の場合は関東圏のダイエー、いなげや、Big-A といった店舗で
販売されているようです。

今回私が購入した かろやか は神明さんの社名が記載されていました。


神明さんの場合は、現地アメリカで
精米処理がされて白米状態になり、
日本に輸入されて包装処置がなされ、
イオンの各店舗へと配送されている
様です。



カルローズ 米は、長、中、短でいうと
中粒種のお米になるので、米粒はあくまで
若干ですが細長い印象を受けます。


こちらも炊き方は前述の備蓄米の炊き方と
同じで、最初に天然水を注いで浸し、
2~3回の軽いすすぎの後炊き上げるやり方です。




水の分量は若干多めに、と言われるのですが
これは私の好みもありますが、
日本の銘柄米と同じ様な水分量で炊き上げてみました。
(鮮明ではありませんが一応画像掲載します)



炊きたての仕上がりは、日本の銘柄の新米に比べると艶、光沢が若干弱いかな、
と感じますが、かといってくすみがひどいわけでもありません。
水の分量も関係するでしょう。

味は特に癖のある味でもなく、食感も国産の銘柄米を食べ慣れている人でも
違和感を感じないでしょう。パラパラとほぐれやすい、チャーハンなどの料理に
適している、とよく言われる様ですが、和食のスタイルでおかずと共に主食と
して用いても違和感はありません。

今後国産米の高騰化が続けばこちらのお米を選択する
消費者も増えるかもしれません。


備蓄米の古古古米やカルローズ 米 かろやか 味の感想を記述しました。

これらのお米はほとんどの方が味や食感の点で問題なく食せることでしょう。

高騰化した国産のお米に比べると若干割安なアメリカ産のお米が選択できる
事も消費者にとっては結構なことだと思います。

しかし、今回の備蓄米の放出の実態を国民もよく注視しておく必要がある
のではないでしょうか。

今回の米不足は約30年前に起こった平成の米不足に比べるとより深刻な状況に
ある様に感じます。有事でもなく、自然現象による凶作に見舞われた状況でもない
のに米不足が起こり、放出がなされました。

報道にもありましたが、この備蓄米は一定の期限が来ると家畜の餌に回される様です。

古古古米はあと少し期間を経れば家畜の飼料に回されます。

原価は60kgで1000円、5kgで85円。85円の餌が消費者に2000円で
販売されている。

5kg85円という値段を知れば消費者も流石に憤慨するのではないでしょうか。

このページでも備蓄米の味を感想として記述しましたが、備蓄米の購入を勧めているわけ
ではありません。経済事情も選択も各家庭それぞれであり、商品を選択できる自由が有難い
事なのですが、国民として国の農政や食糧事情はしっかり注視しておきたい。

国民民主党の代表者の方が「あと一年経てば家畜の餌」との発言が非難されましたが、
内容は事実で上記の様な実態があるわけですが、非常時用の備蓄米が国の農業の失政に
よって放出されているのであれば、どこかでまた皺寄せが起きるのでは、という懸念も
あります。

長く続いた減反政策は現在は廃止されていますが、現状はまだ生産目安の様なものが
農家に通知され、必ずしも自由な生産環境とはいえない様です。米を作らない、あるいは
転作を奨励し、それに補助金を支給するという安易な政策の結果が米不足として現れて
きたのだと思えます。

アメリカは自国の小麦の余剰農産分を日本に輸出するという方針を実行してきました。

日本も本気で自国の農業・農家の方々を守る気概があったなら、減反ではなく
しっかりと増産を行ってもらい自国の自給率を確保した上で海外へ国産米を輸出する
政策をしっかりと練るべきであったのではと感じます。

現在の農政は最低限の食料は自国で生産するという確固たる指針を示している
様には思えません。早くも今年の早熟の新米の流通が報道されていますが、今年も
猛暑で通常の新米が出回る頃に一般的な銘柄米の価格がどの辺りに落ち着くのか、
農水相の指針や手腕も今後が注目されます。