日本の牛乳は本当に安全なのか? 輸入乳製品とrBST問題

成長ホルモン剤rBSTを使用した牛乳について

日本で日常的に飲まれている牛乳について、多くの人は「国産で安全な食品」という
イメージを持っています。実際、日本国内で流通する飲用牛乳のほぼすべては国産であり、
成長ホルモン剤rBST(遺伝子組換え牛成長ホルモン)は使用されていません。
この点において、日本の飲用牛乳は国際的に見ても極めてクリーンな供給体制にあります。

しかし一方で、視野を「乳製品全体」に広げたとき、見過ごされがちな問題が存在します。
それが、海外から輸入されるチーズやバターなどの加工乳製品と、rBST使用牛乳との関係です。
本記事では、日本の牛乳・乳製品を取り巻く構造を整理しながら、消費者が知っておくべき
注意点を解説します。

日本の飲用牛乳は国産、rBST不使用

まず押さえておきたい事実として、日本国内で販売されている飲用牛乳は、
ほぼ例外なく国産原料乳を使用しています。牛乳は水分量が多く、冷蔵輸送が必須で保存期間も
短いため、液体のまま海外から輸入する経済的合理性がありません。

さらに、日本ではrBSTは承認されておらず、国内酪農での使用は認められていません。
そのため、日本で日常的に飲まれている牛乳については、「rBSTの影響を心配する必要は
ほぼない」と言えます。

この点だけを見ると、日本の牛乳は非常に安全な食品であり、問題はないように
思えるかもしれません。

問題は「乳製品」にある

注意が必要なのは、牛乳そのものではなく、乳製品です。日本は、チーズ、バター、脱脂粉乳、
ホエイなど、多くの乳製品を海外から輸入しています。特にチーズについては、消費量の多くを
輸入品に依存しています。

これらの乳製品の原料となる生乳について、日本の消費者がその生産背景を確認することは
ほぼ不可能です。原料乳がどの国で生産され、どのような飼養管理が行われていたか、rBSTが
使用されていたかどうかは、日本の表示制度では原則として表示されません。

その結果として、日本国内には「rBSTを投与された牛の牛乳を原料とする乳製品」が、
加工食品という形で流通している可能性があります。

rBSTとは何か

rBSTとは、牛の乳量を増加させる目的で使用される人工的なホルモン剤です。
正式には「recombinant Bovine Somatotropin(ボバインソマトトロピン、組換え牛成長ホルモン)」
と呼ばれ、本来牛の体内で分泌される成長ホルモンを、遺伝子組換え技術によって大量生産したもの
です。投与された牛では、乳量が平均して10~15%前後増加するとされ、1990年代のアメリカ酪農に
おいては“生産性向上の切り札”として注目されました。

このrBST製剤として事実上唯一、商業的に流通してきたのが、モンサント社
(現在はバイエル社が買収)の「ポジラック(Posilac)」です。理論上は複数企業が同様の
製剤を開発することも可能でしたが、実際にはFDA(米国食品医薬品局)の承認を得て広く市場に
出た製品はポジラックのみであり、他社製品はほぼ存在しない、極めて特異な市場構造となりました。

ポジラックは一般消費者向けに販売される製品ではなく、あくまで酪農家に対して
業務用として販売される医薬品です。スーパーマーケットや一般流通の段階で目にすることは
なく、消費者が直接触れる機会はありません。そのため、最終的に私たちが目にするのは
「rBSTを投与された牛から搾られた牛乳」あるいは「それを原料とした乳製品」という
形になります。

諸外国での扱いの違い

rBSTの扱いは国によって大きく異なります。

EU諸国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドでは、動物福祉や消費者保護の観点から
rBSTの使用は認められていません。これらの国では、明示的な禁止、あるいは未承認という形で
市場から排除されています。

一方、アメリカではFDA(米国食品医薬品局)がrBSTの使用を承認しています。
ただし、アメリカ国内でも消費者の不安や不買運動が起き、飲用牛乳市場からは
事実上淘汰されてきました。

しかし重要なのは、「合法である」という点です。FDAの承認が維持されている以上、
rBSTの使用は現在も一部で継続されており、その牛乳はバターやチーズなどの加工用原料として
流通しており、仕上がったそれら加工食品は輸入食品として日本にも入ってきているのです。

これらは過程の経緯が表示されていないため、消費者には見極めようがありません。

こうした形態で、日本では安全面で懸念の残る成分や、遺伝子組み換えがなされた食材を
用いた加工食品が相当に私たちの食品環境に入り込んでいます。

FDAとは何か

FDAは日本でいう厚生労働省や食品安全委員会に相当する機関ですが、
国際機関ではなく、あくまでアメリカ国内の規制当局です。FDAの判断基準は
一貫しており、「人の健康に対する直接的な有害性が科学的に証明されていない限り、
使用を禁止しない」という考え方に立っています。

FDAはrBSTについて、牛乳中に成分そのものが残留しないこと、仮に微量が存在しても
消化管で分解されることを重視しました。また、rBST投与により牛乳中のIGF-1
(インスリン様成長因子)が増加する可能性についても、「自然変動の範囲内であり、
人の健康に悪影響を与える明確な証拠はない」と結論づけています。このようにFDAは、
「害が証明されていない以上、使用は問題ない」という立場を取りました。

体に悪い理由 人体・健康への影響をめぐる議論 IGF-1(インスリン様成長因子)

rBSTそのものは、牛乳中に残留しないとされています。しかし、rBST投与によって
牛の体内で前述のIGF-1(インスリン様成長因子)の濃度が上昇する可能性が
指摘されてきました。

このIGF-1は細胞増殖を促進し、アポトーシス(自然死)を抑制する作用を持つため、乳がんや
前立腺がんなどとの関連が疫学的に議論されています。これらは確定的な因果関係が証明されて
いるわけではありませんが、「完全に無視できる問題ではない」というのが国際的な評価の
分かれ目となっています。

EUは特に、IGF-1と乳がん・前立腺がんなどとの関連が疫学的に議論されている点、
長期的影響が十分に解明されていない点を重視しました。また、rBST投与牛で乳房炎など
の疾病が増加し、抗生物質使用量が増えることによる耐性菌リスクも、人の健康と切り
離せない問題として捉えています。

このように、FDAとEUの判断の分かれ目は「科学的に危険と証明されているか」なのか、
「安全だと断言できるか」なのか、という根本的な安全観の違いとも思えます。rBSTは、
単なる一つのホルモン剤というより、食の安全をどのように定義するのか、その思想の違いを
象徴する存在だと言えるでしょう。

日本の消費者が知っておきたいこと

日本の消費者が重要視すべき点は、「知らされていないリスクが存在する可能性がある」
という事実です。安全性に懸念が残る成分については可能な限り避け、自身の健康を
守らなければなりません。

特に、食品や健康に関する知識がまだ未熟な将来ある子供達の体は親御さん、大人社会が
しっかりと守ってあげなければなりません。これからは遺伝子組み換え食品とともにゲノム
編集食品なども台頭してくることが予測されます。
(ゲノム編集トマト、ゲノム編集真鯛、ヒラメなど。)

これらは安全性がしっかり確認されておらず、法整備もなされていない状態で今後市場に
出回る事も予測されます(シシリアンルージュ・ハイギャバトマトなどはすでに流通)

このページでは牛乳を取り挙げ、その安全性について記述してきました。

牛乳は賞味期限が短く、短日のうちに使い切るのが普通ですから飲用の牛乳はほぼ国産品です。

(ロングライフミルク、常温保存可能 期限6ヶ月~1年なども在り)

国内ではrBST成分は使用されないので国産牛乳にホルモン成分の心配はありません。

問題は加工食品の中に判別できない形態で原料として利用されている可能性がある事です。

こうした形で日本の食品の中にはかなり遺伝子組み換え食品などが紛れ込んでいます。

近隣の台湾ではラクトパミンを使用したアメリカの豚肉輸入の是非を巡って大問題に
なりました。

アメリカでも牛乳に関してはrBST成分を利用した牛乳は消費者が強い拒否反応を示し、
大手の飲食業社も不使用を表明したためか、飲用のrBST使用牛乳は自然に淘汰された
経緯があります。

その後は企業も自主的に自社商品に “rBST不使用” を表示するようになっています。

私的な感想ですが、アメリカでrBST使用牛乳が大きな不買運動に至ったのは製造元の
モンサント社(現バイエル社)の社名も大きな要因の一つかと感じます。モンサントは農薬、
遺伝子組み換え種子(GMO種子)などの開発を行う多国籍企業で、現在世界規模で使用の
是非が議論されている成分・グリホサート を含んだ除草剤「ラウンドアップ」の開発元です。

ラウンドアップに関してはアメリカ国内で多くの訴訟問題を抱えています。

前述のように、アメリカのFDAによってrBSTの製品化が認められたのはモンサント社の
ポジラックのみとされます。この企業はラウンドアップと絡めて主要な農作物のGMO種子に
大きな影響力を所有し、批判対象になる事も多いため、消費者の間でも強い不信感があった
のではないでしょうか。

「モンサント 世界の農業を支配する遺伝子組み換え企業」という書籍も発刊されています。



モンサント社(現バイエル社)の除草剤 ラウンドアップ

このページで取り上げた牛乳の安全性ですが、国内の飲用牛乳はほぼ国産でrBSTの
心配はありませんが、アメリカから輸入の乳製品には原料として含まれている可能性が
あります。

このrBSTは、日本ではほとんど話題に上らない一方、欧州や北米では長年にわたり
議論と対立を生んできたホルモン剤です。

EUでは1999年以降、rBSTの使用を事実上全面的に禁止しています。その理由は、
「危険性が確定していないからこそ、慎重であるべきだ」という考え方にあります。EUが
採用しているのは「予防原則」と呼ばれる政策思想で、安全であると十分に言い切れない物質に
ついては、使用を認めないという立場です。

姿勢としてはアメリカよりEUの対応の方が賢明ではないでしょうか。

消費者、というより日本国民がしっかり認識しておきたい事があります。

日本は昨年に令和の米不足が起こりました。米だけでなく、実は国内の酪農家も
相当な苦境にある事が識者の方の解説から伺えます。

乳製品は輸入で間に合わせるので国内での生産は最低限で良い、という考えでしょうか。

日本の食料自給率は現在37~8%の状態ですがこれはまだ優しく見積もった数値で、
作物の種、育成の過程で使用する肥料などの諸々も輸入に依存している点を考慮すると、
実態はさらに低い数値に至る(約9.2%)と言われます。

食料自給率に加えて、国際的に禁止の方向で動いている残留農薬成分の<グリホサート>も
日本の農政は数値を緩和する方針をとりました。 

日本は現在 FAO(国連食糧農業機関)から“飢餓国”に分類されている状態です。

様々な国際情勢から、食糧の輸入を止められてしまうと、わずかな期間のうちに店舗の
食品棚から食糧が空になる事態が起こり得るのです。

食糧がなければ何日も持たないという事は子供が考えてもわかる事です。

切実な食糧問題と危険視されている成分の動向を把握しておく事が
これまで以上に重要になっています。