食品添加物と安心な食品の選び方

食品の安全性について考えるサイトです





食品業界の実態を書いた本


食材が溢れる恵まれた環境になり、それにつれて食品添加物も過去に比べると
私たちの食材に多量に含まれるような環境になってきました。

そのため、食品の実態や添加物の危険性について書かれた本なども
多く見られるようになりました。

なかでも、業界の実態や見えにくい裏側について書かれた本「食品の裏側」を
書かれた安部司氏についてはご存知の方も多いのではないでしょうか。

ここでは安部司氏の本の内容を少し紹介して見ます。


今現在も安部氏は食品業界の安全性向上のため、講演や執筆活動をされています。

安部司氏の大雑把な経歴やご著書の内容を観てみましょう。

安部氏は福岡県のご出身で大学時代は化学科を卒業されています。

その後、食料・添加物商社にお勤めになり、様々な食品の開発・完成に携わりながらも、
有る出来事がきっかけで会社を退職されました。

そのきっかけとは、安部氏の家庭内で起こった出来事です。

ある日、その日がお嬢さんの誕生日だったため、祝いのためいつもより早くに帰宅すると、
ご家庭の晩御飯の食卓には多彩な料理が並べられており、その中に、安部氏が実際に
商品完成に携わった在るメーカーさんのミートボールがあり、お子さん達がその品を食べ
始めた時に安部氏は思わず「ちょっと待て!」と制止してしまったそうです。

奥さんに確認すると、そのミートボールは子供達のお気に入りで、よく食卓に出している
品だとの事で、それを聞いた安部氏は狼狽したそうです。

安部さんは日々多忙だった為、普段のご自宅の食卓事情を知らなかったようです。

そのミートボールの原料の実態は、ご自身が開発に携わったので当然よくご存知です。

ほとんど食用・販売には適さない品質の肉に、安い廃鶏(卵を産まなくなった鳥)の肉を
加えて容量を増し、美味しくもない味気ない肉にこれまた添加物を加え、美味しいと感じる味に
仕立て上げる。そしてさらに日持ちするようにも仕上げてある。

使ってある添加物は20~30種類。

実質もはや添加物の塊のような商品。

そのミートボール商品はとてもよく売れたそうです。

そのため、メーカーさんからは「安部さんのおかげだ」と感謝され、安部さん自身も
自分の添加物知識により、ヒット商品が生まれ、メーカーさんも利益が出せて潤う、と
ご自身の仕事に充足感も感じていたと言います。

一般の消費者の方々にはよく売れて嬉しい、自分の業績も上がる、しかし自分では
食べたくない、身内にも食べさせたくない、という自分の心境をご家庭の食卓ではっきり
理解した時、ほかにも食品業界にはこのように、「自社製品は自分では食べない」「うちの
メーカーの惣菜は買わないようにな」などと、自社製品を避けるように伝える食品業界の
人たちが多いことにも改めて気付いたそうです。

製造側に立つ自分は、消費者・購入者でもある。

このことを認識した安部氏は「自分の行なっている仕事は何かがおかしい。」

ご自身の家庭で起きた食卓での出来事をきっかけに安部氏は会社を辞職されました。

身内には食べさせたくない加工食品を売って業績を上げ、その事に疑問も抱かず、
得意になっていた罪悪感や、その反動からでしょうか。

その後、氏は無添加の食品製造を試みたり、食に関する執筆、講演活動をなされています。

そして前述の「食品の裏側」を出版し、業界の実態を世に問われました。

実際に業界に身を置いていた安部氏なので、内容は詳細です。

この本の中で安部氏は、「食についての情報公開」を主張されています。

現状の食品表示法では、表示免除や、一括表示などが認められ、実際に含まれている
添加物の実態を正確に把握することができない。例えば成分表示でよく見かける
「カラメル色素」は4種類存在し、様々な食品に利用されていますが、表示には
「カラメル色素」との表記だけでよい。

その為、どのタイプのカラメル色素が使われているかは消費者にはわからないのです。

カラメル色素ⅢとⅣは製造の際に副産物として4-MIという成分が発生し、この成分は
マウステストで発がん性が認められています。過去に特定保健用食品(トクホ)のコーラに
この成分が含まれているとして話題になりました。

成分がわからない状態で商品を購入してしまうのは消費者としては不安が残ります。

食材が簡単に手に入る現在の環境下では、購入者も食品の裏側・成分表示を
あまり気にもせず、気軽に購入する人たちも多いのではないでしょうか。
加工食品が多く流通するのは購入者もその手軽さ・便利さを歓迎しているからです。

製造メーカーだけでなく、購入者も食品添加物氾濫の状態を生んでいるのです。
消費者・購入者も裏側の成分表示を気にかけ、人体の健康に悪影響を及ぼす様な
成分が含まれているなら購入を避ける、といった行動を取らないと、メーカー側は
売れる商品であれば違法にならない範囲内で成分を変更する事なく、そのまま製造・
販売を続けるのではないでしょうか。消費者も裏側の成分表示に気を配るべきなのです。

「成分表示は明確にし、詳細を把握した上で消費者が選択肢の自由で商品を
選択できるように」との点を安部氏は強調されています。

添加物の危険性の実態はまだ判明していない


このページの標題にもしていますが、添加物の危険性を知る、という点に関しては、
現段階では添加物の危険性はまだ未知数であるという事です。

添加物は1点1点個々の安全性に関しては確認され、問題無しとされていますが、
複数の品を混合し、人体に摂取した場合にどうなるかというのは、データがほとんど
整備されていない状況です。

それゆえ、安部氏もご著書の中で「添加物の実態はまだわからない」との見解を述べ、
大事な事は情報の明確化であると強調されています。

多くの加工食品の開発に関わった氏は、会社を辞職して以降、食に関する講演をされて
いますが、その際、実際に添加物の粉を用いて実演されることもあり、これが「安易な
実演で誤った食品知識を世間に広げている」との批判をされる事もあるようですが、安部氏
の本は決して添加物排除一辺倒の内容ではありません。

むしろ、食が豊富に揃うようになった背景には添加物のおかげ、メリットも大きい
として、正しく評価し、それを最適な形で利用する事を述べられています。

利用の仕方を誤った場合にはデメリットになり、私たちの健康を損ないます。

添加物の危険性として、氏は書籍の中で以下の点には注意を促しています。

それは加工食品の中毒性というか、味覚の破壊、についてです。

ジャンクフードの代表格とも言えるポテトチップスにコカコーラも食べだすと
クセになります。コカコーラに限らず、最近のソフトドリンクには多量の砂糖が
含まれています。

インスタントラーメンには多量の塩分、油分が含まれています。

本来の味覚からすると、甘すぎて飲めない、塩辛くて飲めない、といった味のものが、
添加物を加えることによって味が変化し、「おいしい」と、スルスルと飲めてしまうのです。

しかし、これら加工食品には1日の所要目安量をはるかに超える砂糖や塩分が
含まれている食品を添加物で誤魔化した味に仕上げられてあります。

加工食品が大好きな人たちはこうして多量の糖分や塩分を摂取しています。

添加物の危険性はこの味覚の破壊で、加工食品の味に慣れてしまうと本来の料理の味を
物足りなく感じ、さらに濃厚な味を求める中毒性を持つ、と本の中でもこの点を危険視
されています。

ただ、味覚は取り戻せるとも言われます。

数日間でも料理本来のやり方で鰹節や煮干しなどからとった出汁を使った料理を口に
しているとやはり、加工食品の味を、強すぎる、何か不自然な味として感知するようです。

これはもちろん個人差がある事でしょうが、加工食品に偏った食生活はいずれ体が
拒否反応を示すだろうと思います。

口にしたいと思っても体内の臓器がいやがるようになるでしょう。

安倍氏はここ近年の食品添加物に慣れてしまった私たちの食材環境には
大いに危惧の念を持たれているようです。

安部司氏の書籍にはこうした食品の実態・裏側が書かれてあります。

食がどの様な過程を辿り、私たちの食卓に並んでいるかを詳しく知るには、
ぜひ安部氏の本を一読してみてください。

私たちが知らぬ間に、多くの添加物を摂取している現実がわかるでしょう。

他にも食品業界の知識人の方々が詳しく書かれた書籍を出版されています。内容も、
添加物を危険視する内容もあれば、許容範囲内なら問題無し、とする説も有ります。

複数摂取のデータが乏しく、実態が明確になっていない現在では様々な説が議論される
状態は仕方がない、はっきり結果が判明するまではむしろ望ましいと言えるかもしれません。

私もあなたも、体は皆自分が食べたものから出来上がっています。

もし、体の不調を感じているのなら、普段の食生活を見直し、改善してみる事で
驚くほど快活な身体に変化している事を感じるでしょう。

このページを読んでくださったあなたも、食品を購入する際にはフッと裏側の
成分表示を気にしてみてください。

ずいぶんたくさん入っているな、もっと少ないものにしよう、と
食生活が変化してゆくかもしれません。




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